アニサキス

アニサキスとは

アニサキスとはアニサキスとは、寄生虫の一種です。体長2~3cmほどの幼虫は、サバ・アジ・イワシ・イカといった魚介類を十分な加熱・冷凍処理なしで食べることで感染します(アニサキス症)。
食後数時間以内に激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れたときには、胃アニサキス症を疑いましょう。この場合は、胃カメラ検査でアニサキスを摘出すれば、症状が治まります。
なお、アニサキスが体内に入ったからといって、必ず発症するものではありません。アニサキスのほとんどが体の外へ排出され、症状が出ることはありません。

アニサキス症の原因

アニサキスの原因アニサキス症がもたらす痛みや吐き気、嘔吐といった症状は、アニサキスが粘膜に噛みつくことではなく、アニサキスに対するアレルギー反応と考えられています。
アニサキス症は、アニサキスが感染する部位によって、以下のように分類されます。

胃アニサキス症

アニサキスが胃に感染した状態です。アニサキス症の中ではもっとも頻度が高くなります(90%以上)。
通常は、食後数時間以内に発症します。

腸アニサキス症

アニサキスが小腸や大腸に感染した状態です。腸閉塞、腸重積を起こすこともあります。
通常は、食後数時間から数日後に発症します。

アニサキス症の症状

アニサキスの症状

  • 激しい腹痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 稀に発熱や蕁麻疹

いつからいつまで痛みがある?

胃アニサキス症は、十分な加熱・冷凍処理なしでサバやアジ、イワシ、イカなどの魚介類を食べた後、数時間以内に発症します。その後3~4日ほどでアニサキスが弱ることで症状も軽減します。また1週間が経過する頃にはアニサキスが死滅するため、症状はさらに軽くなり、消失します。

アニサキス症の検査

内視鏡検査

アニサキスが胃にいると考えられる(胃アニサキス症)場合には、胃カメラ検査が有効です。
発見次第、その場で摘出します。

血清抗体検査

胃以外にアニサキスがいると考えられる場合に有効な検査です。
採血し、アニサキスに対する抗体の有無を調べます。

アニサキス症の治療

胃カメラ検査でアニサキスを発見したら、内視鏡の先端から鉗子を出し、摘出します。痛みが速やかに消失します。
必要に応じて抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬を使用します。

アニサキスが多い魚介類—
食中毒予防のために
冷凍・解凍

アニサキスが多い魚介類

  • サバ
  • アジ
  • イワシ
  • カツオ
  • イカ
  • サケ
  • サンマ

など

食中毒の予防方法

適切な加熱・冷凍処理

「60℃で1分以上の加熱」、「マイナス20℃で24時間以上の冷凍」によってアニサキスは死滅します。

冷凍せず生で食べる場合

先にご紹介した適切な加熱・冷凍処理を行わずに生で食べる場合には、以下の点にお気をつけください。

  • 魚介類は新鮮なものを選び、購入後は速やかに内臓を取り除くことが大切です(内臓と一緒にアニサキスを取り除ける可能性が高くなります)。またあわせて、内臓を生で食べないようにしてください。
  • 酢漬け(シメサバ、マリネ等)、塩漬け、醤油・ワサビなどで死滅することはありません。

アニサキスを
食べてしまったらどうなる?
加熱後は?

サンマを食べて30分くらいして、強い腹痛に襲われています。吐き気もあります。どうすればいいですか?

胃アニサキス症が疑われます。すぐに内視鏡によるアニサキスの摘出に対応しているクリニック、病院を受診してください。

アニサキス症のような症状が現れましたが、治まりました。アニサキス症が再発するということはありますか?

アニサキスはヒトの体内では1週間ほどしか生きられず、症状が改善したのであれば、死滅したと考えられます。再びアニサキスを口にしない限り、アニサキス症を再発するという可能性はありません。 しかしアニサキス以外の疾患である可能性も残ります。少しでも気になる症状があるという場合には、念のため胃カメラ検査に対応したクリニックを受診することをおすすめします。

それほど強くない腹痛が、5日以上続いています。アニサキス症の可能性はありますか?

アニサキスは、ヒトの体内では数日もすれば活動が低下し、1週間後には死滅します。そのため、強くないとはいえ腹痛が5日続いているようでしたら、アニサキス症ではなく、胃炎などの他の疾患が疑われます(アニサキス症は、日常生活に支障をきたすくらいの激しい腹痛が特徴です)。 可能性としては低いものの、胃がんの症状として腹痛が現れることもありますので、胃内視鏡検査に対応した医療機関を受診するようにしてください。

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