便秘とは
便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。 食物繊維の摂取不足や、ストレス、運動不足、高齢化などにより、便秘を訴える方は増加しています。老若男女問わず起こり、慢性化していることもあります。慢性的な便秘はQOLの低下につながり、また生命予後にも関連することが明らかになっています。便秘の原因として大腸癌などの疾患が隠れていることもあり注意が必要です。
主な症状

- おなかが張る
- 腹部・下腹部に違和感がある
- 排便後に便が残っている感じがする
- 強くいきまないと便が出ない/いきんでも便が出ない
- 便が硬い
- 便の量が少ない
- 2~3日便が出ない
便秘の原因
一般的に便秘の多くは機能性便秘と考えられています。機能性便秘は、排便回数減少型と排便困難型に分けられます。
機能性便秘
排便回数減少型
排便回数や排便量が減少して、腸管内に便が過剰に貯留するために腹部膨満感や腹痛などの症状を生じる便秘です。
食物繊維の摂取不足や薬剤などが原因です。原因薬剤として、向精神薬や抗コリン薬、オピオイド系薬などが挙げられます。
排便困難型
排便時に直腸内の糞便を十分量かつ快適に排出できず、排便困難や残便感を生じる便秘です。排便を我慢する習慣や、ストレス、加齢による筋力低下などが原因です。
排便時に直腸内の糞便を十分量かつ快適に排出できず、排便困難や残便感を生じる便秘です。排便を我慢する習慣や、ストレス、加齢による筋力低下などが原因です。
器質性便秘
大腸癌
食欲不振や体重減少、血便などの症状を伴う場合には大腸癌の可能性があります。50歳以上で大腸内視鏡検査を受けたことのない方は特に注意が必要です。
便秘の治療
生活習慣の改善
穀類、イモ類や豆類、きのこ、海藻など食物繊維を多く含む食品を十分に摂取するようにしましょう。
十分な水分摂取も大切です。
加えて適度な運動や排便の習慣づけも行いましょう。
薬物療法
まずは上記のような生活習慣の改善の指導を行い、必要に応じて便秘薬を処方します。
便秘加療は便秘の原因に応じた薬剤選択が有効です。慢性便秘でお困りの方は一度ご相談ください。